衣類のお手入れのポイント
いつまでも衣類をきれいに着続けるためには、日頃のお手入れが大切です。 衣類につく汚れにはススやホコリなどの外側からの汚れと汗や皮脂などの内側からの汚れがあります。日々負担がかかっている衣類には早め早めのクリーニングをして、お肌と同じようにお手入れをしましょう。
2~3日の間隔をあけて、同じものは着続けないようにしましょう。着用後は軽くブラッシングして表面の汚れを取って休ませるのが、衣類をんが持ちさせるこつです。
目に見える汚れはブラッシングでキレイに外出してきた衣類には多くの見えにくいホコリなどが付着しています。衣類についたフケやほこりは長時間放置しておくと、シミや汚れ、くすみの原因になります。ブラッシングで簡単に落ちるものは落としておいた方が衣類を長持ちさせます。
黒い洋服はほこりや布くずが目立ちます。粘着テープローラーは表面に付いたほこりやゴミをきれいに取ってくれます。洋服ダンスの近くにかけておくととても便利です。
バッグなどの摩擦やアクセサリーなどで引っ掛けないように気をつけましょう。 バッグの摩擦は衣類を傷めるだけなく、バッグの色が衣類に移ったりします。また反対にジーンズをはいて白いバッグを持っていると必ずといっていいほど、ジーンズの色がバッグに移ります。
どんな繊維でも、毛玉(ピリング)を生じる可能性があります。 毛玉があるとどんなによい服でも古びて、薄汚れたように見えます。 特にニット類は古くなると毛糸の表面がすれて毛玉が出来やすくなります。 洋服ブラシでよくブラッシングすると毛玉がほぐれて毛並みが整って来ます。しつこい毛玉にはエチケットブラシなど強めのブラシでブラッシングするとよいでしょう。 それでも毛玉がきれいにならない場合は、毛玉用電動バリカンで刈りとって下さい。 毛足の長いニット類は、電動バリカンでは毛が寝てしまってうまくいきませんので、真ちゅうブラシで優しくブラッシングして下さい。毛足も立ってきて見違えるようにきれいになります。
衣類の保管の注意
穴あき(ムシの被害)
ウールやアンゴラ、絹などのたんぱく質でできた繊維は、カツオブシムシ類やイガ類の幼虫の大好物です。
汗や食べ物の汚れが残っていると余計に食べられやすくなります。必ずクリーニングしてから保管してください。
防虫剤を使って衣類をムシから守ることも大切ですが、2種類以上の防虫剤を同時に使うと、それぞれのガスが反応してシミの原因になることがあります。防虫剤は1種類だけにするのが原則です 。衣類の虫は夜行性ですから、クローゼットや衣装ケースに入れたままにしておくと、活動を起こしやすい環境になります。クローゼットは少し明かりが入るのがよいでしょう。 明かりが入らない場合は、明かりのある風通しのよい所で陰干しする事が、虫除け、カビ除けにもなります。
成虫は飛ぶので洗濯物や干してある布団に付いて、また外出の際服に付いたりして容易に家に入ってきます。産み付けられた卵は約1~2週間で幼虫になり、イガ類で約1~2ヶ月間、カツオブシムシ類で約6ヶ月間を過ごします。昨今のように家庭の暖房が行き届いていると季節に関係なく活動をするので注意が必要です。衣類を部屋に吊りっぱなしにするのは避けたほうがいいでしょう。
防虫、殺虫剤を使用しない方法はいくつかあります。
低温保管
衣類害虫は16℃以下では活動出来ないので、理想的な保管法ですが、専門の保管倉庫などでないと難しいでしょう。
加熱処理
衣類害虫は熱に弱いので60℃以上で処理すれば短時間で死亡させることができます。乾燥機に20分程入れると衣類もふっくらとしてしてきて一石二鳥の効果があります。乾燥しすぎると衣類が縮んだりしますので、くれぐれも乾燥時間は30分以内にして下さい。
脱酸素剤の利用
脱酸素剤は食品の品質保持やカビ・害虫の防止に広く利用されています。 脱酸素剤と衣料を一緒にガスバリア性の高いフィルム(酸素を通さない)の袋に入れ酸素を無くして保管する方法です。いわゆる真空パックです。家庭用のものは、単に真空にしただけのものになりますので、ぺしゃんこになった状態で保管されますので、取り出したらしわしわで、シワが元に戻らなくなってしまい、保管方法としては失格です。窒素ガスを混入して無酸素状態にしたものは少しふくらんでいますので、シワが大幅に軽減され理想的です。
秋冬物衣類の保管
クリーニング後は袋から出して、よく乾燥させてから保管してください。クリーニング店でかけられるビニールは、汚れ防止用で保管用ではありません。ビニール袋に入れたまま保管すると、蒸れて色落ちやカビなどの原因になります。またドライクリーニングした後の衣類をビニール袋に入ったまましまっていると、残留したドライ溶液と、ポリ袋が反応して衣類にガス退色は起こることがあります。クリーニングのビニールカバーは保存用ではありませんので、必ず外して収納して下さい。 不織布で包装されているクリーニング品は、不織布が空気をよく通すので、そのまま保管することが出来ます。
ニット製品のハンガー掛けでの保管は型くずれの原因となりますので、たたんで保管してください。
高温多湿の場所は避けて保管してください。カシミヤ、ウールのニットはカビや虫食い被害にあいやすい素材です。
真冬に着るダウンは意外と汗をかきます。通勤電車や暖房のよく効いた場所にいたりするので、汗はダウンの中綿に染みこんでいます。そのままにしておくと、変な臭いを発散したり、中綿の汚れが外生地に浮き出て来ます。汗汚れはドライクリーニングでは落ちません。表面はきれいになったように見えても中綿には汚れがしっかり残っています。水洗いの出来るクリーニング店に依頼してみて下さい。クリーニング後はさっぱりして臭いもなく、ダウンが軽く感じます。